「容疑者xの献身」(東野圭吾)

図書館にリクエストをして待つこと4か月強の

東野圭吾の「容疑者xの献身」

だったが,読み始めから読み終わりまではあっという間だった。

待っている間に直木賞まで受賞してしまったので,結果的に「受賞作」を読むことになったが,これは自分としては非常に珍しい(というかまずない)事態だった。まあ,単なる「偶然」……

「わかりやすくて,おもしろかった」あたりが印象かな。「感動した」とか「ガ〜ン」というのは特になかった。

トリックの骨格がほぼわかったのが,「たとえば幾何の問題に見せかけて,じつは関数の問題であるとか」という石神の発言を草薙が湯川に伝えたあたり(ってここでは遅いか!)。
直後の章の石神の通勤コースの描写で,「技師」の不在を確認した。
ただし,殺人があった日付のズレには気づかなかったので,「わかった」とはいえないのかもしれないが(笑)

「物理の天才」と「数学の天才」の対決ということらしかったが,トリックはあまり「理系的」な感じがしなかった。
自分としては,ひもを使って鍵を閉めるようなトリックよりこういうトリックのほうが好きだ!!

最後まで気になったのが,「献身」の意味である。この言葉からは,自分を殺したほんとうの「献身」である場合と「献身」をよそおった相手の支配の場合と2通りが読みとれる。

これは,石神が「よい人」であるのか「悪い人」であるのかが最後までわからなかったということで,ある意味かなり不気味な,正体不明のキャラクターであったということでもある。
こういうキャラも嫌いではない(笑)

どちらの意味に落ち着くのかは,読んでみなければわからないのでせっせと読んだ。
ということで,どちらだったかはここでは書かないので,本をお読みください。

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